Contingency=特約条項の正体-1
その1. Mortgage Contingency
住宅ローン特約と訳せます。これは、買主が一定期間内に住宅ローンの正式承認を取得できなかった場合、契約を違約金なしで解除できるという条件条項のことをいいます。
アメリカの不動産売買契約では一般的な条項で、特に融資を利用して購入する場合には、買主を守る重要な安全装置となります。
たとえば、契約締結後にローン審査の結果が否認された場合、この特約があれば買主は契約を白紙解除でき、通常は頭金の返還を受けることができます。
なぜ重要なのか?
住宅ローンは事前審査(Pre-Approval)があっても、最終承認(Clear to Close)までは確定ではありません。
- 物件の鑑定評価が低く出る
- 買主の収入・信用状況に変更が生じる
- 金利条件が満たせない
といった理由で融資が成立しない可能性もあります。
そのため、住宅ローン特約は
「ローンが通らなければ契約は成立しない」という前提を明確にする条項なのです。
ニューヨーク州では、住宅ローン特約(Mortgage Contingency)は売買契約書に明確な期限付きで記載されます。
通常の流れ:
- 契約締結
- 買主が正式にローン申請
- 契約書に記載された期限までに承認取得
この期限内に承認が得られない場合、
買主は通知を出すことで契約を解除できます。
重要ポイント
期限を過ぎてしまうと、自動的に特約が失効する可能性があります。
その場合、ローンが否認されても手付金が戻らないリスクがあります。
さて、今のような売手市場ではどうなるでしょう?
良い物件は、誰が見てもいいものです。つまり人気物件は複数のオファーが入り、Mortgage Contingency付きのオファーは「はぁ?また来てちょうだい」と言われかねません。そこで
Contingency Waiver(特約放棄)のリスク
競争の激しいマーケットでは、買主がオファーを強く見せるために
Mortgage Contingency を放棄(Waive)するケースがあります。

しかしこれは非常にリスクの高い選択です。
ローンが否認された場合でも:
- 契約解除ができない
- 手付金を失う可能性がある
- 損害賠償請求を受ける可能性もある
つまり、
「現金購入と同じ責任を負う」状態になります。
Pre-Approvalがあっても、最終承認は保証ではありません。
無理をする必要はありません
競争の激しい売手市場の場合、全ての特約を完全に外す(Waiveする)ケースもありますが、
それは自己資金にかなり余裕がある場合に限られます。
一般の買主の方にとっては、
・手元資金はどれくらい残るか
・将来売却する可能性はあるか
・万一のときに補填できるか
を冷静に考えることが大切です。
大切なのは「安心して寝れるかどうか?」
競争に勝たなければ家を手に入れることが出来ないマーケットですが、
売買契約後に、不安をかかえて寿命が縮むことのありませんように。
Contingencyの話はまだ続きます。
今日も荘園不動産の「ニューヨーク郊外・家のなんでも」のブログをお読みいただきありがとうございました。